受賞しました🏆

ブログ・お知らせ

先日行われた第66回比較統合医療学会学術大会で症例発表をして来まして、なんと大会長賞を受賞しましたので、そのご報告です。

演題は「漢方薬により喉頭麻痺のコントロールが可能であった犬の1例」です。

喉頭麻痺という呼吸がうまくできない状態になってしまう病気があるのですが、当時11歳だったラブラドール・レトリーバーの患者さんが患ってしまい、内服だけではやはり病状が悪化してしまうため、気道を確保する外科処置をしてもらう予定でいました。

しかしながら患者さんたちが暮らす環境では術後の管理が難しくなるか、もしくはその子らしく暮らすことを諦めなければならなくなる可能性があったために踏み切れず、飲み始めてもらっていた漢方薬で調子が少し上向きになっていたことから、よくよく話し合い漢方薬で病状のコントロールをできないか経過をみていくことにしました。最適な手術のタイミングを逃してしまう心配もあり、勇気のいる選択でした。

結果的には病状が少しずつ良くなり寛解もして、発症から5年近く元気で過ごすことができて、今年の3月に15歳半で亡くなりました。その患者さんの検査結果、経過などをまとめて考察しました。

今回は色々な条件が重なって、たまたま治療が上手くいったのかもしれません。しかし発表することによって、同じ病気で苦しんでいる子の何かのヒントにはなるはずで、発表を聞いてくださった先生方や関係者の方々がさらにそこから何かに繋げてくださるかもしれません。

そして発表をした事で、第一線で活躍されている先生方から意見を頂けたり、疑問点についてご教示頂けたり、そのことで他の患者さんの一助になったこともあり、その点もとても有意義でした。

以前からセミナーを拝聴したり、別の患者さんの難しい手術をして頂いた先生から表彰状を頂けて感無量でした

実際に治療で頑張ったのは患者さんとオーナーさんで、私はそれをまとめて発表しただけだということも忘れません。患者さんたちのことも認めてもらえたようで、嬉しかったです。本当は生きている時に、ご褒美のおやつでも持って報告にいけたら良かったですけどね。。受賞はもちろん光栄ですが、患者さんが生きていた日々が一番素晴らしかったなと思います。発表準備には何度も挫けそうになり、震えるくらい大変でしたが、人懐こくてかわいかった患者さんの事を思い出しながら、私も頑張りました。

今回の患者さんの他にも、普段の診療に漢方薬や鍼灸治療などを併用すると、明らかに今までとは違う良い経過を辿る子が増え、困っていた症状以外も改善されて全体的にバランスが整ってくるというか、自己治癒力を引き出せるというか、そういった変化が目にみえることが増えて来ました。

もちろん全てが解決できるわけではないのですが、もう少しこういった治療も身近で当たり前になると良いと思うこともあり、少しずつでも学術的な場で発表していけたらと考えています。

あとはやはり一般臨床にしても鍼灸漢方にしても勉強を続けることで助けられる確率が上がると感じるので、これからもコツコツと努力を積み重ねていく所存です。

最後に、今回の患者さんを助けるにあたり、たくさんの先生方にお世話になりました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

タイトルとURLをコピーしました